A Taste of Wharton MBA - ウォートン留学記

~商社、NPOからMBAへ。アラサー女子のウォートン留学生活ブログ~

受験準備- エッセー編-2

早いものでMBA2年目の前半が終わろとしており、期末テスト期間も終盤に入った。

 

一方で、MBA 2nd round 受験生にとっては、エッセー作成の佳境を迎えているところだろう。

 

アプリカントの方とお話をする機会が何度かあったので、聞かれたことをここにも記しておきたい。

 

ウォートンの場合は、基本エッセーは2つの質問のみであり、他の学校に比べると軽めである。私もこの時期は複数校のエッセーを並行して書いていたが、特にウォートンのエッセーを見て何がポイントだったのか、(アドミッションに聞いたわけではないので真実はわからないが)自分なりに振り返ったところ、以下の3つではないかと思う。

なお、あくまで一個人の場合の主観に基づいた記述なので、参考程度にとどめていただきたい。また、私費でNPO経験者というウォートン生の中でもかなり少数派なので、その視点から、どう差別化できるかというところに重きを置いているところは断っておく。

 

 

1.自分なりにウォートンの特色を分析し、自分(の求めるもの、提供できるもの)とのフィットをアピールする。学校について収集した情報はなるべく具体的に触れる。

 

ここでのポイントは、学校に関する調査という宿題を行って来たことを伝えること。そのうえで自分がMBAで期待すること、得たいものをウォートンが持っていることを伝えることにある。例えば私の場合は、アントレに関するリソースやソーシャルインパクトに関する活動、ウォートンのカリキュラムなどについて触れた。また、アラムナイや在校生からの話も入れるとさりげなくコミットメントを伝えられるかもしれない(笑)。

 

 

2.自分が誰であるかを理解し、自信をもって表現する。

 

自分の場合は経験がややユニークだと思ったので、自分の経歴や関心がウォートンコミュニティにもプラスになりうる(貢献できる)こと、またその意思があることを伝えた。ウォートンはグループワークも多く、コラボレーティブな姿勢を重視している。また、MBAの学びの重要な一つは周りの学生との交流から生まれるものなので、自分がそこに入って貢献できる、貢献したい、という意思が見えることはアドミッションにとってもポジティブに映るのではないかと思う。

実際にウォートンに入ってから思うのは、やはり周りからの影響は大きいし、ファイナンススクールとのイメージが強いウォートンだが、スタートアップやテック、国際機関、ファミリービジネスなど様々なバックグラウンドを持つ人がそろう。受験を予定されている方のバックグランドがどのようなものであれ、他の学生にとってはその経験から学べるところがあると思うので、自信をもって表現されるのがいいと思う。

 

3.読む人の目を気にする書き方にする。

 

これはどういうことかというと、読んでいて、この人なんか面白いかも、すごそうかも、と思って面接(ウォートンの場合はグループディスカッションですが)に呼んでみたいと思われるかどうか、ということでしょうか。自分でいうのも恥ずかしいですが、過去の経験をおごりではなく自信(誇り?)をもって書いているトーンだとか、私はこの学校に行くべき、という強い意志みたいなものが伝わるかとか。あとは、英語の文章としてスムーズに読めるかどうか、というところなど。私の場合ウォートンの文書は短かったので逆にやりやすかったのかもしれません。

こちらに来てから思うのは、アメリカ人はプレゼンテーションがうまい。みんな自信もって堂々としているし、自分を売り込むのがうまい。日本にいると謙遜して言うのが美徳とされるけど、アメリカ人はみんな1.5倍増しくらいで伝えてくるので、そういうトーンでいくのがいいかと思います(もちろん高慢な感じになるのはNGですが)。

 

 

以上、一例として参考になればいいな。

Good Luck!!!

 

 

 

 

 

 

 

ウォートン生にとっての「成功」とは?

多くの人がMBAに期待するものの一つとして、「リーダーシップ」開発があるだろう。

 

コラボレーティブなカルチャーで知られるウォートンでも、もちろんリーダーシップは重要なトピックだ。

 

ウォートンのリーダーシップ開発プログラムはThe McNulty Leadership Programというinstitutionによって運営されている。

 

どのようなプログラムがあるかというと、

・Wharton Leadership Ventures:南極や砂漠など、過酷な環境下で、ミッション達成に向けてチームを率いるという経験から自己発見、リーダーシップ開発を行う。冬休みや夏休みに行われ、7日間程度のプログラムに希望者が参加する。

・エグゼクティブコーチング:プロのコーチのセッションを数カ月間受けながら、周囲からのフィードバックをもとに自分理解を深め、希望する自己変革をはかる。

・リーダーシップフェロー:選ばれた2年生が、1年生のPre-termにおけるプログラムのファシリテーションを通じて、1年生のリーダーシップ開発のサポートをする。

・Nonprofit Board フェロー:フィラデルフィアのNPOに対し、ボードメンバーの一員としてアドバイスを提供する。

・P3 (Purpose, Passion and Principles) :5名ほどの学生チームで、週に1回集まり、「成功」「幸せ」「家族」といった価値観について自分の経験をもとに語り合う、8週間のプログラム。

 

この中でも、最近私が経験したP3について紹介してみたい。

 

もともと、前職で人の価値観に関して触れたり議論したりすることも多く、関心のある分野であったが、海外に来てほかの学生がどういう生い立ちからどういう価値観を持っているのかについてもっと知りたいと思っていた。

仲の良い友人とはこういうレベルまで話をすることがあるとしても、パーティで出会う仲間とこういったかなりパーソナルな部分まで踏み込むのは難しい。

 

私が入ったP3プログラムのチームは、全員2年生、在米経験も長い台湾系の女性、アメリカ人女性1人、アメリカ人男性2人、日本で生まれ育った私、という構成だった。

チームに一人、プログラム経験者のファシリテーターがおり、ウォートンの人気教授Richard Shellの著書を課題図書としながら、週に1回それぞれの家に集まり、「成功」「幸せ」「家族」「仕事」などのトピックについて2時間ほど語り合う。

 

初回のセッションで、自己紹介、このプログラムに参加した動機や何を期待するか、それをもとにこのチーム内でのルール(話した内容は口外しないなど)を決めてセッションがスタートした。

 

皆生い立ちは異なるものの、

これまで勉強の良くできる優等生で、職場ではスーパースターだった人という特徴はだいたい一致している。

 

一方で、目の前にある悩みは就職活動だったり、兄弟間の関係だったり、フィアンセと自分の母親との関係だったり、誰でも抱えてそうな悩みに一喜一憂していたりする(もちろん私もその一人である)。

 

初回の「あなたにとって成功とは」について話した際、課題図書に6人の異なる人生が描写されており、その中で自分の成功の定義に近いものから順位をつけていき、その結果をみんなで共有するということをやった。金融の世界で成功して裕福な生活を送る生涯独身の男性、教師として多くの教え子を持ちながらも娘の一人は家を出ていった女性、華麗なキャリアを持ち国際的に活躍する金融マンだが娘が障害を抱えている女性、田舎で自分の生活に十分な稼ぎを得、社会的に安定した職についた3人の子供を持つ大工など、それぞれ人生において得たものと失ったものは違う。

私のチームメンバーは皆、どれかを選ぶのは悩ましい、という反応だった。ビジネススクールという、資本主義の申し子のような場所で学ぶ学生にとっても、人生における大事なものは一つの価値観、答えに集約されるわけではないし、人生のタイミングでも変わる、と考えているということは新たな発見でもあった。

 

同時に、こうやって周りの意見を聞き、自分の意見を共有する過程で、自分自身考えさせられることが多い。直感的にこの生き方よりはこっちの生き方なんじゃないか?と思っても、それをうまく説明することができないことがあった。

アメリカでよく思うのは、どんな考えを持つかは個人の自由だが、どう伝えるかはある程度共有のルールがないと会話が成立しない、ということだ。自分の考えや結論に至った理由や思考プロセスをうまく説明できないと、コミュニケーションとして成り立たない。

自分自身なぜそう思ったのかわからないことについても、チームに伝えなきゃ、ともがくなかで、なぜそう思ったのか、どこに違和感を感じてどこに共感をしたのか、について自分の中でももう少し考えてみることにした。

そういう過程から、そして自分の意見に対する周りの反応から、自分でもあまり気づいていなかった自分の特長がわかってくる場面もあった。

例えば、仕事において何を大事とするか?という質問に対し、6つのキーワードに順位をつけていくというワークがあった。私は"Express"に高めの評価を置いていたが、他のメンバーはそうではなかった。なぜ高い順位をつけたのかをメンバーに説明するにあたって、そもそも、"Express"の意味するところがが人によってやや違っていたこと、また、私の生い立ちや性格が"Express”に人以上に価値をおいている背景にあったこと、がわかってきた。私にとっての”Express"はアートなどの表現ではなく、オリジナリティに近い。自分なりの考え、よりよくするためにどうしたらいいのかを常に考えること、それを周りに伝えること、そしてできれば行動に移すこと。それが自分が生きている価値を発揮したいという根源的な欲求からくるもの。自分にとってのドライバーになっていることに気づいた。

ここから、自分の選んだキャリアについても、ある意味自分の価値観や思いを体現していたい、というものがあったということに気づいた。どうやら、私は自分の信条(信念)みたいなものに人一倍情熱があるのかもしれない。

 

という説明を聞いていたメンバーは目を丸くして、"impressive"と言ったのだが、私にとってはその反応も全く持って新鮮だった。

 

自分の人生に影響を与えたイベントについてのセッションでは、過去にあった精神的につらい出来事を語り合ったり感情的にディープな会話になることもあった。

あまり初対面の人とこういった話題にはならないかもしれないが、プログラムとしてSafe Spaceが確保されているので、パーソナルな話も可能になる。

 

 

 

このセッションを通じて、「成功」の定義は、人によっても、その人がどういうcultural and social contextで生きていくかによっても違うと感じた。それは同じウォートン生であろうと同じではない。

一方で、「幸せ」な人というのは何が自分にとって「成功」なのか、自分をよく知っている人なのかもしれない。

まだ私もSelf-discoveryの道半ばだが、歩みを続けることが大事ということを気づかせてくれたP3と仲間たちに感謝したい。

 

 

ルームシェア始めました

夏も終わり、ウォートンでの2年目が始まった(といっても早くも2ヵ月弱経っているのだが笑)。

 

ブログの更新ができていないことの言い訳は置いておかせていただいて、

最近の大きな変化は、今学期から新居に引っ越してきたことだろう。

 

去年の春までは、Sublet(又借り)、学生向けの集合住宅(学校の寮ではないが寮に近い形式)と転々として来たが、この秋からはフィラデルフィアの街の中心に近いエリアでウォートンの同級生とアパートをシェアすることになった。

彼女は韓国人で、1年生の時に別の友人を介して知り合いになってから、ちょくちょくごはんに行ったりする仲だったが、彼女もマンションを変えたいとのことで、タイミングも一致し、一緒に住むことになった。

 

ウォートン生は、大半の学生がセンターシティと呼ばれる、フィラデルフィアの街の真ん中(特にリッテンハウススクエアと呼ばれる感じのいい街中にある公園の周辺)に住んでいる。レストランやバーに近く、ソーシャルライフを謳歌したいMBA生は学校への近さより街中を選ぶのだ(といっても学校までも徒歩圏内)。

ルームメイトと私も長い家探しを経て、最終的にこのエリアに引っ越してきた。

リッテンハウススクエアの数ブロック南に行った、私たちのアパートがあるエリアはブラウンストーンと呼ばれる、3階建程度のアパートが立ち並ぶエリア。ブラウンストーンは築100~150年と古い建物ながら、古いヨーロッパの街並みを思わせるとても雰囲気のある建物で、この一帯は趣のあるブラウンストーンが道沿いに続き、朝のジョギングも優雅な時間にしてくれる。

私たちのアパートの11階に位置する部屋からはフィラデルフィアが一望でき、ベッドルーム、リビングルーム、ダイニングすべての日当たりがよく、古い建物ながら2人ともすぐにこの家が好きになった。

 

休日は買い物に出かけたり、平日の夜は一緒に夕ご飯を作ったり、なんともゆったりした時間を過ごしている。

 

自宅自慢のようになってしまったが、要するに、1年目に比べ、2年目はだいぶリラックスして過ごせている。

 

また新学期の様子もアップしていきたい。

 

 

 

 

 

ウォートンのリソース - U-Pennのカリキュラム

ウォートン生活も早くも1/4が過ぎ去り、1年目も後半戦に突入している。

 

最初のセメスター(1年が秋、春の2セメスターで構成される)は授業とソーシャル活動に慌ただしく、このブログも閑散としてしまった。

したがってMBA生活もろくに紹介できていないところだが、ややスキップをしてウォートンMBA外のリソースについて紹介してみたい。

 

私自身、私費でもあり1年制のヨーロッパのMBAとも迷ったが、カリキュラムの豊富さという理由もありウォートンを選択した。今になってそれは間違っていなかったと感じる。

 

ウォートン生は卒業に必要な19cu(credit unit=単位のこと)のうち4cuまでウォートン外のカリキュラムをとることができる。

そもそも、ウォートンはUniversity of Pennsylvania(Pennと略される)という総合私立大学の経営学大学院という位置づけであって、Pennはアメリカ東海岸名門校アイビーリーグに所属する有名校だ。全米でもトップの研究費を持つ医学研究や看護学をはじめとして工学、教養学部といった学部、そして法律学、教育学など幅広い大学院をもつ。

こういったバラエティに富むPennの授業にもアクセスできる(受講にあたり必修要件がある科目もあるが)のはウォートンが提供してくれる貴重なリソースの一つだ。

 

 ▼ここからどんな科目があるかを見てもらえる

 Academics | University of Pennsylvania

 

私はこの秋タームからPenn Design school, City PlanningのEconomic developmentの授業を受講している。トピック上ビジネスにも近いテーマなのだが、City planningの大学院生の視点を新鮮に感じることが多い。ウォートンにいると、企業側の目線や経済合理性の話になることが多いが、このクラスでは雇用創出や格差、コミュニティ創造という視点の発言/質問が多い。

前職の非営利組織では、新興国で貧困解決に取り組む団体との関りが多かったため、自分にとっては親近感がわく一方、MBAの環境に身を置くと企業にとっての経済合理性があるのか、競争原理は働くのかといったことも気になってしまう。

どちらが正しいというのではなく、どちらの視点も必要なのだと思えたことは一つの収穫かもしれない。

 

また、実はウォートンというと厳密にはundergrad(学部)とgraduate(=MBA,大学院)の2種類あり、科目によって、一方の学生のみor どちらも対象にしたクラスがある。

例えば、現在受講しているNations, Politics and Marketsというマクロ経済系の授業はどちらの学生でも受講できるクラスであり、undergrad, MBAさらにはLow schoolや交換留学生の学生がおり多様性が高い。授業自体、各国の経済成長と金融・財政政策、自由貿易、為替といったトピックを歴史ごと、そして地域ごとにみていくため、スペインやギリシャの財政状況、中国の為替政策、日本の金利政策、そしてまさにトランプ政権がリアルタイムで進めている貿易政策などを、スペイン人、中国人、そしてアメリカの財務省で働いていた学生がいる中で進めていくためダイナミックで興味深い。

 

私の周りでも、統計のクラスを受講してみたり、イスラム金融の授業に出てみたり、プログラミングの授業を受講したりとウォートン外のリソースを活用している人は多い。

選択肢が多いと選択が難しいという難点もあるが(笑)、知的好奇心を満たしてくれること間違いなしだろう。

フィラデルフィアという場所

せっかくの2年間の留学生活、どんなところに住むかは一つの重要なポイントだろう。

 

留学してすぐは比較対象もなかったが、このサンクスギビング休暇でボストンやロンドン、バルセロナなど他のスクールにいる友人を訪問する機会があったので、

改めてフィラデルフィアという都市について紹介してみたい。

 

まずは基礎情報から。

フィラデルフィアはアメリカ東海岸、ペンシルベニア州の最大都市であり、全米第5位の人口を有する。

ピンとこない方には、ニューヨークとワシントンD.Cの間にある、と言うと、へー、とある程度どこに位置するかイメージしていただける。

市街中心部は両脇を川に囲まれた比較的小さなエリアに広がる。

ペンシルベニア大学のほか、ドレクセル大学、テンプル大学など多くの大学が位置する学術都市でもある。

また、歴史も深い。1776年、この地に当時13の植民地の代表が集まりイギリスからの独立宣言に署名された。その後合衆国憲法も制定され、アメリカにとっては重要な意味を持つ場所である。

今でも市内にある、インディペンデンス国立歴史公園には独立宣言の際に鳴らされた、自由の鐘や、独立記念館などがあり日々多くの観光客が訪れる。

 

 

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そんなフィラデルフィアで学ぶにあたっての

①良いところ

②イマイチなところ

をあげてみたい。

 

 

①良いところ

●歴史と文化がある。上述した通り、歴史的な見どころが多くある。また、文化面でも、フィラデルフィア美術館やバーンズコレクションといった芸術品、フランクリン科学博物館やロッキーステップ、フィラデルフィアオーケストラなど全米でも有数の美術館、オーケストラがすぐそばにあり学割がきくところも多い。

●小さい街だが、レストランや買い物できるお店が一通りそろっている。ニューヨークにはかなわないが、レストランも日本食含め一通りあり、洋服やコスメなども歩いて回れる距離に集中しており便利。

●一方で、ニューヨークやワシントンD.Cといった大きな都市にも近い。ニューヨークは電車で1.5時間、車で2時間強程度で行ける。

●これは、MBA留学生としての視点だが、

 ニューヨーク、ロンドンなど大都市にある学校に比べて、比較的限られたエリアに皆引っ越してきて住んでいる同士なので、身の回りのことについて相談したり、休日ごはんしたりお茶したりと気軽に会うことができる。休日もグループワークをしたり出かけたりも比較的スムーズに予定が合わせられる。

その一方、より小さい街にある学校に比べて、大都市へのアクセスもあり就活上、エンターテイメント上も活動を広げることができる。

 

②イマイチなところ

●エリアによってはやや荒んだ雰囲気がある。例えばボストンなどに比べると、やや大衆感あふれるエリアもある。ある意味アメリカの格差社会を実感するにはいい場所かもしれないが。。市内の一定エリア内にいるには問題ないが、郊外に行くと治安がよろしくない場所もある(ほとんど行く機会ないですが)。

●交通の便が中途半端

上述の通り、よい側面もあるが、東京との直行フライトがなかったり、海外に行く際にも乗り換えが必要だったり、まあ大都市に比べるとちょっと不便ではある。

●寒い

アメリカの東海岸では避けられない部分だが、冬はマイナスの世界。温暖育ちの私に耐えられるのかやや不安。

 

 

これはより局所的な話ですが、

ペンシルベニア大学のキャンパスは趣があって綺麗。大学が独自に警察も持っており、24時間警備が行き届いていて安心して過ごせる。

授業がある平日は、キャンパスと住居のある市街地(徒歩30分くらいの距離)を行き来する生活なので、行動範囲は限られてくるのが実情。

大部分の時間を過ごすキャンパスとその周辺、また居住地である市街地がある程度快適であることが重要かなーと思う。

 

▼ペンシルベニア大学キャンパス

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▼大学周辺の風景

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▼観光スポットの一つでもあるReading Terminal Marketでは新鮮な野菜果物が手に入る

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受験準備- インタビュー編

成績証明書、テストスコア、レジュメとエッセー、そして推薦状の送付確認が済んで、やっと出願!

この日を終えると一気に力が抜ける。

 

そして、喜びも束の間、通知待ちという長い時間が始まる。。。

学校にもよるが約1ヵ月強の待ち時間、通知が来たかどうか周りの様子も気になりながらソワソワする日々。

 

ただ、結果を待ちながらもインタビューという第二次関門の用意をしなければならないのが現実。来るのかわからないinvitationを待ちながら準備するという微妙な時間がとても嫌だったのを覚えている。

 

私の場合、他に出願していた学校から早めにインタビュー案内が来たため、1対1の面接練習をしていたら、追ってウォートンからの通知をもらい、Team Based Discussion(TBD、ウォートン特有のグループインタビュー)の準備を始めた。

 

面接官と1対1の面接

  • 聞かれるであろうトピック(自己紹介、why MBA、リーダーシップ経験などなど)に対して、簡潔に(1分、長くて2分くらい)答えられる練習をした。
  • すでに日本に帰国していたため、エドのインタビューprepセッションを活用して、質問に対する答えを用意。そして、そこで知り合った受験仲間と一緒に模擬インタビューを何度か行った。渋谷の喫茶店で堂々と志望動機 in Englishを語る度胸がついた笑。フィードバックをもらうのも大事だが、面接官役をしてみて学びことも多かったのでBuddyを見つけて練習するのは有効だと思う。
  • 家では、PCで自分をビデオ撮影しての練習もちょっとやった。これも気づきが多いのでお勧め。

 

ウォートンのTBD

  • TBDへのinvitationをもらうくらいのタイミングで、お題も一緒に知らされる。
  • 6名1チーム。私は東京で受けたため、全員日本人だった。スロットが足りず海外で受けることになったり、日本在住の外国人と一緒になることもよくある様子。
  • TBDは、冒頭簡単な自己紹介をそれぞれしたのち、お題についてチームで議論して結論を出し、最後に簡単にプレゼンテーションを行うというもの。
  • ウォートンのアドミッション(アメリカ人の女性だった)が1名横で議論の様子を見ており、TBDの後にそれぞれ1対1で5-10分程度の簡単なインタビューが行われる。ちなみに、私の場合はあまり固いこと聞かれず、インドとソーシャルインパクトという共通関心の話題で終わった。
  • ウォートンはチームワーク、コラボレーションを非常に重視する学校。入学しても、ラーニングチームというまさに6名のチームで必修科目のグループワークを行う。そこできちんと貢献できる人かを見ているのだろうと思う。
  • 個人的に、仕事をチームで議論しながら進めていくことがとても多かったので、こういった環境は慣れていた。したがって、比較的冷静に全体を見れたので、チームでこぼれている部分を拾いに行った(時間管理や話していない人の巻き込み等)。逆に、気をつけたことは、自分のvalue propositionをはっきりさせる(NPOにいたので、ソーシャルインパクト系のエリアでは貢献できる、など)こと、ウォートンについて予習してから臨む(どんなClubがあるか、アラムナイがいるかなど)というところ。

 

 

今振り返ってみても、長い道のりだったと思う。

合格通知をもらった時は、喜びもさることながら安堵感とやっと終わったという力尽きた感が大きかった。

私はすべて2nd roundで出願していたため、すべての学校の結果がこのタイミングで分かった。不合格になったところもあり、心境的にもアップダウンある時期である。とはいえ細々とでも走り続けなければいけず、MBA受験はマラソンのようだった。

だが、独学でテスト準備をし、海外でエッセーを書いていた私にとって、インタビュー準備のプロセスは他の受験生と知り合えた貴重な機会でもあった。こういった仲間がいたことで走りきることができたのかもしれない。

 

受験準備- エッセー編

さて、エッセーはMBA出願、最後の関門である。

スコアが出るテストと異なりエッセーは明確な終わりがないし、時間をかければかけるほど(方向性が間違っていなければ)よいものができる。

とはいえ、「出願できるレベル」というのは存在すると思われるので、そこまで時間内に持っていけるかが勝負となる。

 

また、エッセーはこれまでの自分との対話であり、未来の自分のプロジェクションである。どこまで深くやるかはあるにせよ、個人的にこのプロセスは過去の整理と自分の価値観の自覚という意味で有意義なプロセスだった(その分大変でもあったが。。)。

 

1) プロセスとタイムライン

  • テストスコアが出てからの3-4ヵ月で合計6校分のエッセーを書いた。また、推薦者に依頼する推薦状の大まかな内容についても同じ時期に考えていた。6校のうち1校は公共政策大学院だったため、毛色がややことなり、その分時間が余計にかかった気もするが、結果としてちょうどよい期間の長さだったと思う。ただ、この期間仕事の都合でインド赴任が挟まり、新しくなかなかサバイバル度が高い現地生活の中、集中できる時間を確保することに苦労した。締切の早かった公共政策大学院のほうのエッセーにかかりっきりでMBAのエッセーは最後の1ヵ月で仕上げたため、年末年始は寝る時間以外はずっとエッセーを書いていた。
  • 全体として、以下のプロセスをだどった:カウンセラー探し→出願に十分なスコアが出そろう→キャンパスビジット→出願校の決定→エッセーのネタだし/推薦状のネタを推薦者と確認→エッセー作成&カウンセラーのコメントをもとに書き直し&ネット上での情報収集。タイムマネジメントはクリティカル。

2) エッセー作成にあたって

カウンセラー

  • そもそもカウンセラーは必要なのか?学部時代に留学するなどしてエッセーを書いたことがあるのであれば別だが、初めてであればカウンセラーをつけたほうが安心ではないかと思う。私の場合、留学経験もなく語学的にもバックアップが必要だったので迷いはなかった。
  • カウンセラー選びに際しては何人かと初回相談を行った。結局江戸義塾にお願いすることになったが、エドはカウンセリング時に指摘する点がとても論理的かつ本質的だと感じたところ(信頼できると思った)、また料金体系もこちらの努力次第で抑えられるというところで決めた。また、人柄も好きだった。結果、よかったと思う。ただ、近年特に人気のようなので早めにお願いをしないと枠が埋まってしまうようだ。
  • エドは放任スタイルなので、積極的にコンテンツについてアドバイスはくれない。ここをもっと膨らませたほうがいいとか、こういう要素がもっと必要などとは言ってくれるが、その分自分で考えないといけないのでためになったが楽ではなかった笑。ただ、これまでの経験と多くのアプリカントを持っているため、学校ごとの傾向やアプリカント全体の傾向を知っていて貴重な情報となった。

エッセーのポイント

  • エッセーにおいても重要なのは、質問の意図を十分に考え理解すること。学校側は主に①このアプリカントは将来成功するポテンシャルがあるか?②他の生徒の学びに貢献してくれるか?、というポイントを見てくる。飾り立てる必要はないがこの点について説得力のある過去のエピソードを用意できることが重要だと思われる。
  • それぞれの質問の意図を理解することが重要。ここは、Vinceというカウンセラーのブログや海外のカウンセラーのブログなどが役に立った。また、F1 GMAT 

    F1GMAT - GMAT Preparation, Business School Research, MBA Application Help and MBA Info Sessions

    というオンライン上で購入できるエッセーガイドラインがあり、これもよい情報源となった。
  • また、どういった表現の仕方を知るという意味で、以下の本も参照した。
  • 65 Successful Harvard Business School Application Essays: With Analysis by the Staff of the Harbus, the Harvard Business School Newspaper
  • 50 Successful Stanford Application Essays: Get into Stanford and Other Top Colleges
  • どういった内容を入れるかについて、大まかには自分に影響を与えた経験(自分の価値観が出るところ)、自分が残したインパクト(リーダーシップやチームワーク経験にあたるもの)を中心に書いた。ただ、リーダーシップやチームワークといってもまだ漠然としているため、より要素分解していくには、StanfordのLeadership Bahavior Gridという、評価基準が参考になった。
  • ウォートンのエッセーは、"What do you hope to gain both personally and professionally from the Wharton MBA?" "(optional essay) Please highlight any additional information that you would like the Admissions Committee to know about your candidacy?"という2問であった。1問目はなるべく具体性を持たせるようにカリキュラムやウォートンのカルチャーを入れ込み、2問目は自分がどうウォートンコミュニティに貢献できるかを強調した。学校説明会やキャンパスビジットなどの情報がここでいきてくることとなった。

 

ある記事によると、人は文章を書くモードに入るのに30分かかるという。実際振り返ってみても、エッセーを「書く」ためには集中できる空間とまとまった時間を確保するのが大事だと感じた。同時に、集中モードから解放されている移動など細切れの時間に、このエッセーを読んだ人はどういう印象を受けるか、と客観視してみるのも大事かもしれない。きついプロセスだが、ここで後悔のないようにしておけば、あとは人事を尽くして天命を待つのみである。