A Taste of Wharton MBA - ウォートン留学記

~商社、NPOからMBAへ。アラサー女子のウォートン留学生活ブログ~

MBAの価値ー卒業生の視点

2020年を振り返るならば間違いなく、COVID-19、に尽きると思います。

私も3月から在宅勤務、オフィスは夏頃から部分的に開放されたものの、在宅勤務が推奨されていて、毎日ニューヨークの自宅からバーチャル勤務。

4月から新しい部署に異動しましたが、上司や同僚とは一度も対面で会わないまま。

これで関係を築けるのかと思いましたが、特に問題なくやってます(とはいえオフィスでの勤務していた場合の比較対象がないですが)。

 

さて、MBA取得から約2年半、今の自分にとってのMBAの価値を記します。

私自身も留学すべきかどうか、MBAがベストな選択肢なのか悩みました。働き盛りの2年間と約2000万円の投資に対するリターンは何なのでしょうか。

 

明確かつシンプルな答えにまとめるのが難しいのですが、

将来の選択肢(特に仕事、キャリアの観点において)を一つのドアに例えると、

どのドアが自分の周りにあって、どのドアが自分にとって魅力的か、ドアを開けるために何が必要なのか、誰がドアを開けるのを手伝ってくれるのか、そしてドアの先に何があるかのヒントをくれるのか、

がより見えるようになるということかと思います。

 

もちろん、MBAで学ぶ内容も一つの価値なのですが、MBAに行くということはビジネスの世界に関心があり、そこでのキャリアに高い関心がある仲間の一員になるということ自体に価値があると感じています。

 

入学すると、多様なバックグラウンドの仲間と知り合い、活動をともすることになります(例えば、私のLearning team(入ってすぐに設定される、一緒に課題をこなす仲間)は、コンサル、Amazon, 不動産、Investment managementという顔ぶれでした)。それぞれのクラブも自分の関心を深める、広める、模索するのに最適なリソースでした(例えば、コンサルティングクラブは何年にも渡るケースブックやインタビューガイド、経験者のMockケースインタビューを提供)。業界とつながりのある教授の話(アダム・グラントは彼のクライアントの話を授業で取り上げてました)や学校のキャリア・マネジメントのサポート(インタビューPrep, 進路の相談等)など、自分のキャリアを考えるためのリソースがこれほど揃っているところはないと思います。

私の場合、模索のための期間という位置づけが強かったですが、すでに次の進路が決まっている人にとっても最高のリソースだと思います。

 

卒業後について、留学経験もアメリカでの就業経験(数ヶ月のインターンを除いて)もなかった私にとってアメリカでの就職はMBA留学なしにはありえないものでした。アメリカのIvy league のMBA卒という肩書はもちろん役に立ったと思いますし、きっかけをくれたのはMBAの友人でした。

親戚もいないアメリカに残る上で頼りになったのはMBA時代の友人、今後の進路に迷ったときはウォートンのアラムナイサポートのアドバイザーに助けてもらいました。

特定の会社や業界に興味があれば、アラムナイネットワークをたどって話を聞くことで知識とつながりを得ています。

 

ただし、これらはドアを開けてくれるものではなく、あくまで自分の知識と経験で開けないといけないものです。一方で、留学前の自分にとってこれらのドアの多くは見えていなかったし、ドアは開くものなのか、開ける方法をどうやって見つけ出すか検討がつかなかったと思います。

また、学位を持っていることで、この人はこのドアを開けられそうだ、と思ってもらえることも大きいです。

 

これらは、学校選びにもつながります。

どこの学校も多様性は確保されていると思いますが、なお個性はあります。特に地理的な要因も大きいです。MBAはネットワークの意味合いが強いので、どういった分野につよいか、アラムナイネットワークはどれだけ広いかは見るべき指標だと思います。

 

メリット・デメリットを考えた上で、最終的にMBAに行くかどうかはとても個人的な判断かと感じます。

私の場合、これらが留学前に見えたかというと、正直そうでもないです。でも、視点を広げるということが自分にとって大事であり、影響力を持ちそうであれば、投資の価値はあるのではないでしょうか。

 

皆さんにとってベストな決断ができることを祈ってます。